帰化申請

帰化には、普通帰化、簡易帰化と大帰化とがあります。
普通帰化は国籍法5条に規定されています。

届 出 人 帰化を申請する本人または法定代理人
届 出 先 本人の住所地の法務局または地方法務局
届 出 書 類

1 帰化許可申請書

2 親族の概要を記載した書面

3 帰化の動機書

4 履歴書

5 宣誓書

6 生計の概要を記載した書面

7 在勤及び給与証明書

8 事業の概要を記載した書面

9 居宅・勤務先付近の略図

添付書類等

1 卒業証明書・在学証明書・成績証明書

2 技能、資格を証する書面

3 確定申告書の控え、決算報告書、許認可証明書等

4 源泉徴収票、納税証明書

5 登録原票記載事項証明書

6 国籍および身分関係を証する書面(旅券の写しを含む)

7 スナップ写真

8 申述書

9 その他

(外国語の添付書類はその訳文を添付)

 

1 事前相談

申請者の住所地を管轄する法務局または地方法務局へ行き、事前相談をするのがよいです。
 

2 必要書類の収集

事前の相談において、申請者が帰化の申請をするのに必要な書類、資料が担当官より指示されます。
多くは、手引書等に担当官が〇を付け、あるいは手書きで記入し、個別的に指示を受けます。
この指示に基づき、日本で収集する必要書類、本国から、あるいは自国の大使館・領事館等から取り寄せる書類と共に、申請書等に必要事項を記入のうえ申請することになります。
同一国で、領事業務を行っている大使館・領事館が日本にいくつか存在している場合、それらは通常、業務の管轄が定まっています。
したがって、大使館等から必要書類を集める場合は、事前に大使館業務の管轄を確認したうえで出向いたほうが、時間と費用の節約になります。

 

3 申 請

法人の役員が帰化の申請をする場合は、一般の会社員等の場合とは違って添付書類が多く必要となります。
特に会社の税務関係の書類は、審査が長引きますと古くなるため、再度新しい税務関係の書類の提出されることがあります。


書式のポイント

法務省が発行している「帰化許可申請のてびき」を参考にして説明します。

提出する書類は、原則として2通です。そのうち、1通は原本を、もう1通は写しでかまいません。
ただし、法務局より1通でよいと指示されるものもあります。
国籍および身分関係資料は、特別の事情のない限り原本を提出することになります。
また、外国語で記載された書面には、別に翻訳文をつけ、訳者名を書いてください。
訳者については、正確に翻訳できる人であれば、申請者を含め、だれでも差し支えありません。
免許証等のように原本を提出できないものは写し(A4の用紙)を作って提出します。
この場合には、提出する際に原本を持参してください。
申請時に持参した原本と写しを照合して、確認すれば原本を返してくれます。

各書類ごとの記載上の注意点は、次のとおりです。

@ 帰化許可申請書

写真はカラー、白黒のどちらでもかまいません。
帰化をしようとする人が15歳未満のときは、父また母などの法定代理人と一緒に撮影したものを使用するようにしてください。
出生地は、番地まで詳しく書きます。番地等が不明の場合は、「以下不詳」と書いて差し支えありません。
帰化後の本籍および氏名は、帰化が許可になった場合を予定して、あらかじめ書いておくものです。
いずれも自由に定めることができます。
帰化後の氏名の文字は、原則として常用漢字表、人名漢字表、人名漢字表等に掲げる漢字およびひらがなまたはカタカナ以外は使用できません。申請者の署名は、受付の際に記載しますので、空欄のままとしておいてください。

A 親族の概要を記載した書面

申請者および配偶者の両親、配偶者、子、兄弟姉妹、配偶者の兄弟姉妹、婚約者、前夫、前妻、内夫、内妻等について記載します。

B 帰化の動機書

 ・申請書本人が自筆(当然ワープロ等ではだめです)で記載します。

 ・どうして帰化をしたいかという理由を具体的に記載ます。法務大臣あてということを意識しすぎてあまりにも下手にでたり、そうかと思うと自分を帰化させないのは承知しないといったような文章を書く方がいますが、感情に走らず、ごく普通に帰化の動機を記載するのがよいと思います。

C 履歴書

 ・申請者ごとに作成します

 ・申請者の経歴を各項目ごとに区分し、出生の時から順に、空白期間のないよう詳しく記載します。
ただし、長期間日本に住んでいて、戦前・戦後の混乱期を経験している人の場合、当時の詳しい住所など不明の場合があります。このときは、「以下詳細」のようなかたちで説明することになります。
どうしても記載しなけれなばならないと思い、かえって誤ったことを記載してはいけません。

D 宣誓書

 ・宣誓の趣旨をよく理解して申請書ごとに作成します。

 ・申請者自身が署名します。

E 生計の概要を記載した書面

 ・一世帯ごとに作成します。

 ・世帯を異にする親族によって申請者の生計が維持されている場合は、収入欄にその親族からの収入について書きます。

F 在勤及び給与証明書

 ・申請の前月分について作成します。

 ・勤務先から記入してもらいます。

G 事業の概要を記載した書面

 ・添付書類として確定申告書の控えおよび決算報告書、法人登記簿謄本、各種許認可証明書の写しを提出します。

 ・上記の添付書類をもとにして事業の概要を記載した書面を作成していきます。

H 居宅・勤務先付近略図

 ・目標となるものまたは最寄りの交通機関からの経路、所要時間等を記載します。

帰化届の手続と効力発生期間

帰化の効力については、
国籍法10条1項に「法務大臣は、帰化を許可したときは、官報にその旨を告示しなければならない」とあり、
2項で「帰化は、前項の告示の日から効力を生ずる」と規定されています。

官報告示の日から日本人となりますが、法的に日本人となっても、具体的な手続についてはいろいろとすることがあります。

届 出 人 帰化を申請した本人
届 出 先 帰化届については帰化者の住所地の市区町村役場
届 出 書 類 帰化届

 

1 帰化届

「帰化の届出は、帰化した者が、告示の日から1箇月以内に、これをしなければならない」と規定されています。
届出は、原則として帰化をした本人がします。
ただし、本人が15歳未満の未成年者の場合には、その者の法定代理人が届出義務者となります。
届出期間は、告示日より数えて1か月以内にしなければならないと戸籍法に規定してありますが、実際は事務処理の都合上、ある程度の人数をまとめて官報に載せています。
一括処理をしている関係上、法務局より「帰化者の身分証明書」が交付されるのは、告示日よりしばらくしてからになります。
実務上は「帰化者の身分証明書」を発給した日が、1か月の起算日となっています。

帰化の届出は、帰化者の住所地の市区町村役場に提出しますが、別に定めた本籍地に提出してもかまいません。

 

2 帰化の効力

帰化の効力発生時期は官報告示の日からです。告示日の午前0時から効力が生じるとされています。
帰化の許可の官報告示があり、法務省から各法務局等に通知が行きます。
各法務局等は帰化の許可通知を申請者に送ります。
日本国籍を取得するのは告示の日からです。
告示日より日本国民となり、すべて日本国民と同等の権利義務関係が発生します。
例えば、外国人に対して制限されている参政権を行使することや、公務員に就くことも可能となります。

氏名、本籍については、戸籍の届出によってその効力が生じます。
参政権や公務就任権も実際は戸籍に記載され、その他諸般の手続が終了してからということになります。

 

手続のポイント

1 帰化後の手続

申請者は、法務局から帰化の許可の通知を受領し、法務局より指定された日に出頭し、帰化後の手続について説明を受けます。そこで「帰化者の身分証明書」を受領し、戸籍等の手続をすることになります。

帰化後の手続を順に述べると以下のようになります。

@ 官報告示があり、日本国籍を取得する。

A 法務局より帰化の通知書を受け取る。

B 法務局へ出頭し「帰化者の身分証明書」の交付を受ける。

C Bの「帰化者の身分証明書」を持参し、市区町村役場の窓口に「帰化届」を提出する。

D 場合により、印鑑登録の手続をする。

 

帰化による氏名の変更に伴う手続

対応のポイント

国籍を変更して日本国民となるのは、官報告示の日からです。
しかし、日本人となってから、いろいろな手続をしなければなりません。
通常帰化をして日本国民となれば氏名を変えます。
帰化申請書に帰化後の氏名を記載することになっていますが、氏名は自由に定めることができます。
この氏名の変更に伴いさまざまな手続をすることになります。
もちろん本籍ができますので、新本籍を届け出るところはすべて関係してきます。

 〔変更登記申請〕

申 請 人 日本に帰化した外国人または代理人
申 請 先 本店所在地の登記所
申 請 書 類 登記申請書
添付書類等 代理権限証書(委任状等)

  

法律上のポイント

通常、帰化の許可により、日本国民となる場合、帰化者は帰化後に称する自分の氏名を原則として自由に定めることができます。帰化の許可申請時に、帰化後の氏名を申請書に記載することになっていますので、帰化後の氏名については、申請前に決めておく必要があります。
どのような文字を使用することができるかについては、一定の制限があります。

多くの場合、帰化者は新しく帰化後の氏名を決め、従前使用していた氏名は、日本国籍取得により、変更を生じます。

 

手続のポイント

帰化の許可後、市区町村役場における、いわゆる公的な手続が終わりますと、帰化者を取り巻く社会生活のなかで、特に氏名の変更にかかわるさまざまな手続が必要となります。
いつまでに氏名の変更をしなければならないという、時間的制約を伴う手続もあれば、気がついたときに氏名を変更しておけばよいという手続もあります。
これらのなかで主たるものを以下に挙げます。

@ パスポートの返納と取得

中国国籍でしたら、在日中国大使館領事館へ行きパスポートの返納手続をします。
海外へ行く予定があれば日本のパスポートを取得します。

A 運転免許証記載事項変更届

日本で運転免許を取得した方はこの運転免許証記載事項変更届を提出する必要があります。
国際運転免許証は帰化申請前に所属していた国で取得して、1年間に限り日本で使用できるものですから、許可により日本人となった以上不要になるものです。
そこで、国際運転免許証しか持っていない方は、日本人になった以上日本人と基本的に同じ方法で取得する必要があります。

B 変更登記申請

会社の役員等をしている人は役員の変更登記をする必要があります。
帰化をする前に不動産を所有し、登記していた場合は所有権登記名義人表示変更登記をすることになります。

C 法人あるいは個人として、許認可を受けている場合

帰化の相談で法務局へ行きますと、法務局によっては「官公署の許可等を要する職業一覧表」の載っている「帰化のてびき」を交付してくれることがあります。
この一覧表を見れば、氏名の変更届をする必要があるか否か大体わかると思います。
特に多くの場合法人の役員をしていたり、個人であっても帰化前の氏名で許認可を受けていれば、氏名の変更手続が必要になります。

D 金融機関に対する手続

マンション等の賃貸借契約をはじめ、すでに社会生活を営むうえでさまざまな契約を締結していることと思われますので、放置しないで速やかに手続を済ませます。

 

書式のポイント

変更登記申請書には、氏名の変更を証する書面は添付する必要がありません。

帰化した人が離婚の際に名乗っていた氏に変更したい

対応のポイント

氏の変更は、法律上の変更と呼称上(戸籍上)の変更の2つがあります。
2つの違いは、前者が法律上の変動による変更であるのに対して、後者は法律的な身分はそのままですが、具体的な呼称を変更することにあります。

呼称上の変更は、戸籍法の定めるところによって、家庭裁判所の許可を得て届け出なければならないとされています。

(1)家庭裁判所における甲類審判

申 立 人 戸籍の筆頭者であるアメリカ人女性
申 立 先 申立人の住所地の家庭裁判所
申 立 書 類 氏の変更許可申立書
添付書類等

申立人の戸籍謄本、氏の変更の理由を証する資料、同一戸籍内にある15歳以上の者の

氏の変更についての同意書

(2) 氏の変更

申 立 人 戸籍の筆頭者である外国人女性
申 立 先 住所地または本籍地
提 出 書 類 氏の変更届(創設的届出)
添付書類等 審判書謄本および確定証明書

 

法令上のポイント

 戸籍法107条1項には、「やむを得ない事由によって氏を変更しようとするときは、戸籍の筆頭に記載した者及びその配偶者は、家庭裁判所の許可を得て、その旨を届けなければならない。」と規定されています。
氏の変更許可の申立ては、家事審判法9条1項甲類に掲げる事項に該当します(「家庭裁判所は、次に掲げる事項について審判を行う」)。提出先は、申立人の住所地の家庭裁判所です。

名の変更が「正当な事由」があれば許可されるのに対して、氏の変更は「やむを得ない事由」という厳格な要件が求められるのです。
「やむを得ない事由」とは、一般的には、珍奇、難解、難読な氏である場合、あるいは永年使用している場合などが該当します。

 

手続のポイント

氏の変更の裁判は、家事裁判官が参与員を立ち会わせて、またはその意見を聴いて行います。
その際には、同一戸籍内の満15歳以上の者の陳述を聴かなければならないとされています。
氏の変更の申立てが却下された場合には、申立人が告知を受けた日から起算して2週間以内に即時抗告をすることができます。

そして、申立て許可の審判がなされたら、氏の変更の手続を取ってください。
この手続は、戸籍実務では創設的届出とされていますので、届出がなされないと、戸籍上の氏はそのままですので注意。

通常帰化(国籍5条1項)

国籍法5条1項1号
「引き続き5年以上日本に住所を有すること」

「住所」
・少なくとも3年以上は就労していること
 日本語学校2年、大学4年では、5年以上日本に住所を有するにはなりません。
 (例外) 「日本人の配偶者等」「永住者」「定住者」においては、就労期間は要求されません。

「引き続き」
・出張による出国の場合、年間合計100日程度以内の出国日数ならOK
 (例外)年間180日以上、会社命令、日本に10年以上居住、自宅購入、日本生まれ

国籍法5条1項3号
「素行が善良であること」

1.実刑有罪判決
   刑の執行が終わり10年以上経過すれば、許可される可能性がある。
  ※家族、勤務先から本人の悔悛状況を示し、上申書を添付

2.執行猶予付き有罪判決
  執行猶予期間の2倍程度の期間の経過。

3.オーバーステイ
  在留特別許可後、10年以上経過。

4.交通違反

5.税金未納

6.内縁関係

国籍法5条1項4号
「自己又は生計を一にする配偶者その他の親族の資産又は技能によって生計を営むことができること」

1.貯金額
  会社勤務の場合は、問題ありません。
  ※失業中の場合、求職期間中の生活を維持する貯金が必要。再就職の可能性の技術・スキルも審査対象となる
  年金生活者の場合は、貯金プラス年金収入も加味して判断

2.雇用形態
  正社員・契約社員・派遣社員でも、勤務期間が長ければ問題ありません。

3.転職
  転職後間もない場合や転職歴が多い場合は、法務局に相談すべき。
  ※就労資格証明書を取得した方がよい。

簡易帰化(国籍法6条)住所要件の緩和

国籍法6条3号
「10年以上の居所を有する場合」

就労がなくても、10年以上在日していればOK
※生計要件「自己又は生計を一にする配偶者その他の親族の資産又は技能によって生計を営むことができること」は必要。
 アルバイト収入に加えて、両親からの経済的支援も加味されます。

国籍法6条2号
「日本で生まれた者の場合」

1.「日本で生まれた者で引き続き3年以上日本に住所若しくは居所を有するもの」
※能力要件「20歳以上で本国法によって行為能力を有すること」は緩和されていないので、20歳以上でなければならない。
(例)日本で生まれ、国外で育った場合は、日本に住むようになってから3年以上経過。
※生計要件、住所要件は緩和されない。

2.「日本で生まれた者でその父若しくは母(養父母を除く。)が日本で生まれたもの(在日3世)
住所要件としては、現に日本に住所を有することだけでOK。
日本生まれの在日3世が海外で育ったとしても、日本に戻れば在日期間に関わらずOK
※能力要件「20歳以上で本国法によって行為能力を有すること」は緩和されていないので、20歳以上でなければならない。

国籍法6条1号
「日本国民であった者の子」

日本国民であった者の子(養子を除く)で引き続き3年以上日本に住所又は居所を有するもの」も住所要件緩和。
「日本国民であった者」とは、外国籍を取得したことにより日本国籍を喪失した者、元日本人を言います。
※元日本人の子は海外で生まれ育った場合は、来日後3年経過しないとダメ。
※能力要件や生計要件は必要です。



簡易帰化(国籍法7条)日本国民の配偶者たる外国人

1.国籍法7条前段
「在日3年以上の外国人が日本人と結婚した場合」

日本人の配偶者については、就労期間3年を経過しなくてもよい。
※緩和−住所要件と能力要件
※生計要件は必要(両親からの経済的援助も可)

2.国籍法7条後段
「婚姻後3年経過、在日1年以上の場合」

日本又は海外で日本人と結婚してから3年が経過し、かつ来日してから1年以上経過した場合は、OK。

3.外国人夫婦が同時に帰化申請する場合
外国人夫婦のうちの一方が帰化の条件を満たすことを前提に、配偶者を「日本国民の配偶者たる外国人」として扱います。
(例)夫が在日5年以上で就労期間が3年以上、妻が在日1年以上であればOK。



簡易帰化(国籍法8条)

国籍法8条3号
「日本国籍を失った者で日本に住所を有するもの」

原則的住所要件、能力要件及び生計要件は不要。
※実務上は、来日後6ケ月経過してから申請。

国籍法8条1号
「日本国民の子(養子を除く。)で日本に住所を有するもの」

原則的住所要件、能力要件及び生計要件は不要

国籍法8条2号
「日本国民の養子引き続き1年以上日本に住所を有し、かつ、縁組の時本国法により未成年であったもの」

原則的住所要件、能力要件及び生計要件は不要

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