第五条(領事任務)
接受国において、国際法の認める範囲内で派遣国及びその国民(自然人であるか法人であるかを問わない。)の利益を保護すること。
この条約の定めるところにより、派遣国と接受国との間の通商上、経済上、文化上及び科学上の関係の発展を助長することその他両国間の友好関係を促進すること。
接受国の通商上、経済上、文化上及び科学上の活動の状況及び進展を適法なすべての手段によつて把握し、当該状況及び進展について派遣国の政府に報告し並びに関心を有する者に情報を提供すること。
派遣国の国民に対し旅券又は渡航文書を発給し及び派遣国への渡航を希望する者に対し査証又は適当な文書を発給すること。
派遣国の国民(自然人であるか法人であるかを問わない。)を援助すること。
接受国の法令に反対の規定がないことを条件として、公証人若しくは身分事項登録官としての資格又はこれに類する資格において行動し及び行政的性質を有する一定の任務を遂行すること。
死亡を原因とする相続が接受国の領域内で行われる場合に、派遣国の国民(自然人であるか法人であるかを問わない。)の利益を接受国の法令の定めるところにより保護すること。
派遣国の国民である未成年者その他の無能力者の利益を、特にこれらの者について後見又は財産管理が必要な場合に、接受国の法令の定める範囲内で保護すること。
派遣国の国民が不在その他の理由で適切な時期に自已の権利及び利益を守ることができない場合に、当該権利及び利益を保全するために接受国の法令の定めるところにより暫定的措置がとられるようにするため、接受国の裁判所その他の当局において当該国民を代理し又は当該国民が適当に代理されるよう取り計らうこと。ただし、接受国の慣行及び手続に従うことを条件とする。
現行の国際取極に従い又は、国際取極がない場合には、接受国の法令に合致する方法により、裁判上若しくは裁判外の文書を送達し又は派遣国の裁判所のために証拠調べの嘱託状若しくは委任状を執行すること。
派遣国の国籍を有する船舶及び派遣国に登録された航空機並びにこれらの船舶及び航空機の乗組員につき、派遣国の法令の定める監督及び検査の権利を行使すること。
(k)に規定する船舶及び航空機並びにこれらの乗組員に援助を与え、船舶の航海に関する報告を受理し、船舶の書類を検査し及びこれに押印し、接受国の当局の権限を害することなく、航行中に生じた事故を調査し並びに船長、職員又び部員の間のあらゆる種類の紛争を派遣国の法令により認められる限度において解決すること。 派遣国が領事機関に委任した他の任務であつて、接受国の法令により禁止されていないもの、接受国が異議を申し立てないもの又は派遺国と接受国との間で効力を有する国際取極により定められたものを遂行すること。