届出人 | 日本の国籍を取得しようとする少年または代理人(少年が15歳未満のとき) |
届出先 | 少年の本籍地および届出人所在地の法務局またはその所在地の日本大使館等 |
届出書類 | 国籍取得届 |
添付書類等 | 1 出生のときの父または母の戸籍謄本 2 出生証明書 3 分娩の事実を証する書面等 4 登録原票記載事項証明書 5 旅券等 |
国籍法施行規則の改正により、国籍法17条の規定による届出については、届書に国籍の取得をしようとする者が国籍取得の条件を備えていることを証するに足りる書類を添付しなければならないこととされ、原則として戸籍謄本等の公的資料とし、これができない場合には、公的資料に代わり得る相当な資料または届出人および関係者の申述書となりました。
〔市区町村長への国籍取得の届出〕
届出人 | 国籍取得者本人または代理人 |
届出先 | 国籍を取得した少年の本籍地および届出人の所在地の市区町村役場またはその所在地の日本大使館等 |
届出書類 | 国籍取得届 |
添付書類等 | 1 国籍取得証明書 2 国籍取得前の身分事項を証すべき書面 |
法律上のポイント
届出による国籍取得は、昭和59年法律第45号の法改正国籍法によって新設されたものです。この方法による国籍の取得には5つの場合が規定されています。本例は、国籍法17条1項の場合(国籍の再取得)に該当します。
この場合の国籍取得の条件は、以下のとおりです。
① 日本国外で生まれ出生によって日本と外国の国籍を取得したが日本国籍の留保の届出をしなかったことによって日本国籍を失ったこと
② 20歳未満であること
届出のときに、20歳以上のときは、帰化
③ 日本に住所を有すること
短期滞在で日本にいるような場合でなく、生活の根拠が日本になければなりません。
この制度は国籍留保の届出をしなかったため日本国籍を喪失した者が未成年の間に日本に住所を定めたときは、日本との結び付きが生じたといえるので、重国籍者が発生しても届出での容易な日本国籍の再取得を認めたものです。
手続のポイント
帰化(簡易帰化)の許可申請の方法と国籍再取得の届出による方法の比較をみると以下のような差異があります。
帰化申請 | 国籍再取得届 |
① 一定の条件の充足 ② 法務大臣の許可 ③ 官報告示で効力発生 ④ 本籍および氏名は自由 ⑤ 帰化届は告示日より1か月以内 | ① 一定の条件(前期参照)の充足 ② 法務大臣への届出 ③ 届出時に効力発生 ④ 本籍および氏名は法定 ⑤ 取得届取得日より1か月以内 |
戸籍法上の国籍取得届は、国籍取得の日から1か月以内または国籍取得の日に国外にいるときは国籍取得の日から3か月以内と戸籍法上されていますが戸籍実務では国籍取得証明書交付の日より起算されています。
書式のポイント
① 国籍取得届に印刷されている注意事項をよく読んで準備をしてください。
② 国籍取得者の称する氏は法律上当然に決定され、出生時の日本人である父または母の氏とされています。
③ 国籍取得後の名は、任意に定めることができます。ただし、常用漢字・人名用漢字・カタカナ・ひらがなで書かなくてはいけません。しかし、国籍取得前にその名が通称化していたのなら制限外の漢字を使ってもよい場合があります。