1 国籍とは
国籍とは、その国家を作る人、国家の構成メンバーのための資格であり、国民はその国籍を有するものです。
この国籍をもっている者を何々人というように、日本国籍をもっている人を日本人と呼びます。
2 国籍の機能
国際法的には、国家は、自国民に対して外交的保護の権利を、そして自国民を自国に受け入れる義務があるといわれています。
国内法的には、①出入国・居住の権利、②参政権、③公職就任権、④財産権、⑤社会福祉保障等では、内外人の区別があります。外国人の土地所有については日本は何の制限もなく、珍しいことです。
3 国籍法とは
国籍の得喪に関する法令は各国の事情によって異なります。国籍に関しては多くの国々は日本の国籍法のように特別法で規定しています。しかし、民法典の中に規定しているフランス・イラン・スペイン、憲法のなかに置くラテン・アメリカの諸国、さらには、これらに限定しないで2つの法・3つの法に分散規定している国などがあります。
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日本の国籍法は、国籍を喪失する場合を自己の志望によって取得したときと規定しています。
婚姻は自己の志望によったものですが、国籍の取得は婚姻によって結果的に取得したもので、本人が国籍がほしいと志望してもそのような規定がなければ国籍の取得は生じません。
現に、日本人と婚姻した外国人女性は婚姻で日本国籍を取得することはなく、日本国籍は自己の志望による帰化申請により許可を得たときに取得することになっているのです。
以上の結果として、日本人女性は、婚姻による外国籍と本来有していた日本国籍の2国籍を有することになります。
日本国籍法は、国籍唯一の原則を採っており、国籍は1つとするためのいくつかの制度を設けています。
その1つが国籍選択届制度です。
日本国籍を維持するにはこの国籍選択の届をする方法と外国国籍を離脱する方法があります。ここでは国籍選択届を提出することになります。
5 外国国籍の離脱
日本国籍の選択宣言をしても当然にその外国国籍を喪失されることがないときは外国国籍を離脱するように努力しなくてはなりません。
書式のポイント
① 国際選択宣言の欄には、「日本の国籍を選択し、外国の国籍を放棄します」と印刷されています。
② 現に有する外国の国籍の欄の外国名は、正式名称でも略称でもよいとされています。さらにその国籍を証明する書面は添付不要となっています。