外国人と離婚して元の姓に戻りたい

対応のポイント

女性が復氏をするための方法は、婚姻時にどのような方法で夫の氏に変更したかによって異なります。
したがって、まずそれを調べて確認した後に、復氏の手続を取ることになります。

届出人 日本人女性
届出先 本籍地または所在地の家庭裁判所
届出書類 氏の変更許可申立書
添付書類等 申立人の戸籍謄本、申立人と同一戸籍内の満15歳以上の者があるときは、その同意書

 

法律上のポイント

1 はじめに

外国人と婚姻した場合、婚姻時に氏を変更する方法として2方法があり、その根拠法は戸籍法107条1項と2項に求められます。
そしてどちらの方法で夫の氏に変更したかによって復氏する方法が異なります。

そこでまず外国人との婚姻と氏の変更について説明します。

 

2 外国人との婚姻と氏の変更

民法750条は、夫婦は、婚姻の際に定めるところに従い、夫または妻の氏を称すると規定していますが、これは日本人同士の婚姻の場合に適用され、先例では日本人と外国人との婚姻については適用がないとされています。

氏については、考え方に争いがあります。
各国の立法例をみても妻の氏は婚姻により変動しないとするもの、妻が自動的に夫の氏を称するとするもの、夫または妻の氏の選択を認めるものなどです。

そこで国際結婚のとき夫婦の氏の準拠法をどうするかが問題になるのです。

身分的効力の問題として法の適用に関する通則法25条を適用すべきとするものや氏の問題は1つの独立の人格権たる氏名権の問題だから夫婦の氏の問題も夫婦各自の属人法(本国法)によるべきとするもの等々あります。
実務では、氏の準拠法をどうするかの国際私法(法通則)も民法750条も適用されなくて当事者の日本人については、婚姻しても氏の変動もなく婚姻した後でも婚姻前の氏のままであるとしています。
実務では少なくとも日本人には日本法によるとしているわけです。そこで外国人との婚姻と氏の変更をするには、日本の戸籍法の以下の2方法のいずれかによることになります。

@ 戸籍法107条1項によって氏の変更をする場合(原則)

  家庭裁判所の許可を得て氏変更を届け出なけなければなりません。

  氏変更の条件として「やむを得ない事由」が必要です。

A 戸籍法107条2項によって氏の変更をする場合(特則)

  日本人配偶者は、婚姻の日から6か月以内に限り家庭裁判所の許可を得ないで外国人配偶者の氏に届出のみによって変更をすることができます。

この規定は、外国人と婚姻した日本人配偶者がその外国人配偶者の氏と同一にしようとすることは婚姻生活社会生活上の必要から定型的に「やむを得ない事由」に該当すると判断される場合であることから、家庭裁判所の許可を必要としないで届出のみで認めることにしたのです。
氏変更の届出期間が婚姻の日から6か月以内と限定されているのは、子供が生まれる前に氏変更の有無が確立していることが好ましいとの考慮によるものです。
したがって、婚姻の日から6か月経過した後は原則の@の方法に戻ります。

 それでは、外国人との離婚と氏の変更は、この@Aによって異なるのですがどのように異なるのかをみます。

 

3 外国人との離婚と氏の変更

@ 戸籍法107条1項によって氏の変更をした場合

  上記2の@と同じ方法によります。すなわち、家庭裁判所の許可を得て氏変更を届け出なければなりません。

  氏変更の条件として「やむを得ない事由」も同時に必要です。

A 戸籍法107条2項によって氏の変更をした場合

この場合日本人配偶者は、離婚の日から3か月以内に限り家庭裁判所の許可を得ないで外国人配偶者の氏に届出のみによって変更をすることができます。
離婚の日から3か月経過後は、原則の@の方法に戻ります。

 

手続のポイント

氏を変更する日本人配偶者に同じ籍のもの(子など)がいるときは、日本人配偶者の新戸籍を作ることになるのでその本籍の場所を記入します。
子がいて日本人戸籍に同籍していても復氏の効果は子に及びません。
子は、住専の戸籍に止まり従前の氏のままです。
新戸籍に「同席する旨の入籍届」において、その子も復氏をした日本人配偶者と同じ氏になることができます。

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