外国人と日本人の婚姻の成立要件

手続きのポイント

1 実質的成立要件の一方的要件と双方的要件

 国際結婚の実質的成立要件の準拠法は、婚姻の実質的成立要件についてのすべての問題に適用され、婚姻の実質的成立要件とは、形式的成立要件(方式)を除いた要件のことを意味します。

 婚姻の実質的要件については、一方当事者についてのみ問題となりそうの者のみがクリアすればよい一方的要件(一方的婚姻障害)と当事者双方について問題となり2人のものがクリアしなければならない双方的要件(双方的婚姻障害)とがあります。

 ある要件が一方的要件(一方的婚姻障害)か双方的要件(双方的婚姻障害)かという問題は国際私法の次元で確定してそれによって準拠法が決まるとする立場と当事者の本国法に任せるとする立場がありますが両立場は結論を同じくします。

 具体的に、一方的要件(一方的婚姻障害)とされるものは

@父母の同意

A婚姻年齢

B婚姻意思の欠缺、錯誤、強迫

 双方的要件(双方的婚姻障害)とされるものは

@近親婚の禁止

A重婚の禁止

B相姦婚の禁止

などです。

 一方的要件(一方的婚姻障害)か双方的要件(双方的婚姻障害)かが問題となるのは女性について前婚解消後一定期間は、再婚を禁止されるという再婚禁止期間(待婚期間)実務では、双方的要件(双方的婚姻障害)としています。
女性については自ら課せれられているということで関係があり、男性についても出生子がどちらの父親かという血の混淆による被害は再婚した夫の報により多きいいと考えられることから男性についての要件でもあるとしています。
当事者双方の本国法が再婚禁止期間を定めていてその期間に差がある場合は長い期間を定める法の本国法によるとしています。

 

2 婚姻の実質的成立要件の証明

 婚姻届の添付資料として婚姻要件具備証明書が要求されますがこれは婚姻の実質的成立要件の証明となるものです。

 ちなみに、婚姻要件具備証明書を発行しており、その様式が把握されている国は下表の通りです。

 

地 域 国 名
アジア

中国、大韓民国、タイ、ミャンマー、フィリピン、ベトナム、マレーシア、スリランカ、

インドネシア、モンゴル、シンガポール

北米 アメリカ、カナダ、メキシコ
中南米

コロンビア、ブラジル、エクアドル、ジャマイカ、パラグアイ、エルサルバドル、ニカラグア、

キューバ、ウルグアイ、ボリビア、バハマ

ヨーロッパ

オランダ、スイス、フランス、ドイツ、ポルトガル、デンマーク、イギリス、ベルギー、スペイン、

ノルウェー、フィンランド、ロシア、スウェーデン、アイルランド、ルーマニア、ハンガリー、

ウクライナ、チェコ、スロバキア、モルドバ、ポーランド、ブルガリア

大洋州 オーストラリア、ニュージーランド、トンガ
中東 イラン、イスラエル、アフガニスタン、トルコ、サウジアラビア
アフリカ

ザイール、モロッコ、ガボン、ジンバブエ、ガーナ、チュニジア、コンゴ、カメルーン、ガボン、

エジブト、ウガンダ

 

※ 各国の在日大使館領事部では、発給を開始したり、停止したりすることがあるので確認をしてください。

 なお、婚姻要件具備証明書が入手できない場合は、次のもの等が代わりの文書となります。

@ 宣誓書(AFFIDAVIT)

A 申請書

B 婚姻証明書

C 公証人証書

 アメリカ人の場合に婚姻要件具備証明書が得られないときは宣誓書の添付で足りて受理できるとされています。これは「在日アメリカ合衆国総領事の面前で〇〇州法により婚姻適齢に達していること・重婚とならないこと・日本人と子人するについて法律的に問題ないことを先制した」との在日アメリカ合衆国領事の署名のある宣誓書とされています。大使館領事発行のものと軍事関係者には基地発行のものがあります。

 ラトヴィア共和国リガ市役所発行の結婚障害欠如宣誓書を、独身であることおよび婚姻をするための障害のないことの正当な文書であるとして婚姻要件具備証明書とした例もあります。

 また、トリニダード・トバゴ共和国官憲発行の独身証明書および大阪英国総領事館発行の証明書が同国の婚姻要件具備証明書にあたるとされた例もあります。

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